胸が痛む場合

胸の痛みと一口に言っても細かい症状に違いがあり、大きく次の3パターンに分けることができます。痛みの種類によって原因が異なりますので、それぞれの概要をご説明します。

胸の表面の痛み

胸の表面がチクチクと刺すように痛む場合は、胸壁の神経・筋肉の炎症や、外傷や帯状疱疹などが原因となっている可能性があります。この場合は外科・皮膚科的な治療が必要となることが多いです。

胸の深い部分の痛み

胸の内側が締め付けられるように痛んだり、圧迫感のある痛みが生じたりしている場合は、胸壁の内側にある心臓や肺などの内臓器官の疾患が考えられます。心筋梗塞、大動脈解離、肺塞栓症などが挙げられ、特に急激に症状が現れた場合には速やかな対処が必要となる可能性があります。

胸の痛みのように感じられる痛み

消化器・呼吸器疾患や骨・筋肉の異常によって、胸が痛む“ように”感じることがあります。わずかに胸に違和感がある程度、鋭い痛みが急激に生じるなど、症状の程度は様々ですが、胸痛の原因を特定して適切な治療を行う必要があります。

こんな時にはご注意ください

わずかな胸の違和感程度であれば日常生活に問題なく、自然に軽快することもあります。しかし、以下のような症状が急激に生じた場合には命に関わることもあります。すぐに医療機関を受診してください。症状が強く、ご自身での外来受診が困難な場合には迷わず救急車をお呼びください。

胸が痛む時に考えられる疾患

呼吸器疾患

• 胸膜炎
• 肺炎
• 肺結核
• 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（アレルギー性肺疾患）
• 肺結核
• 肺がん
• 気胸
• 胸水　など

心血管障害・疾患

• 虚血性心疾患（狭心症・心筋梗塞など）
• 貧血　など

神経・筋肉・骨の異常

• 肋間神経痛
• 帯状疱疹
• 胸部の骨折　など

※そのほか、心臓神経症など心因性の疾患によって胸痛が起こることもあります